関東から新潟に転勤・移住する人が知るべき災害リスク5選
「新潟に転勤が決まったんだけど、災害とか大丈夫なのかな…」そんな不安を抱えていませんか?
関東で生まれ育った人にとって、新潟の災害リスクは未知の世界です。東京では滅多に降らない雪が、新潟では毎日のように降り積もります。津波は「太平洋側の問題」だと思っていたら、日本海側でも15分で到達することも。この記事では、関東から新潟に移住・転勤する人が驚く「災害リスクの5つの違い」を解説します。
新潟で10年暮らせば当たり前になることも、最初は戸惑うことばかり。事前に知っておけば、心の準備ができますよ。
関東と新潟で「災害の常識」はこんなに違う
まず衝撃的な事実をお伝えします。関東と新潟では、災害への「常識」が根本から違うんです。

| 災害の種類 | 関東の常識 | 新潟の常識 |
|---|---|---|
| 地震 | 首都直下地震に備える | 液状化で家が傾くことも想定内 |
| 津波 | 30分以上かけて避難 | 15分で来る、今すぐ逃げろ |
| 雪 | 5cmで電車が止まる | 50cmでも普通に出勤 |
| 台風 | 毎年何度も直撃 | 直撃は少ないが梅雨が長い |
この表を見て「えっ、そんなに違うの?」と思った方、それが正常な反応です。実際に住んでみると、防災に対する考え方を根本から見直す必要があることに気づきます。
新潟の液状化リスクは浦安の比じゃない【地震対策】
2011年の東日本大震災で、浦安の液状化映像を覚えている人も多いはず。道路から水が噴き出し、マンホールが浮き上がり、家が傾いた。あれを見て「埋立地は怖い」と思いましたよね。
でも、新潟の液状化は桁が違います。
1964年新潟地震で何が起きたか
川岸町にあった県営アパートは、鉄筋コンクリート4階建ての頑丈な建物でした。ところが、この建物がほぼ横倒しになったんです。建物自体は無傷で、窓も開閉できる状態だったのに、地盤が液状化して建物ごとゴロンと転がってしまいました。
竣工から1ヶ月しか経っていない昭和大橋は橋桁が落ち、信濃川の川幅は液状化による側方流動で23mも狭くなりました。新潟市内のRC造建物1,530棟のうち189棟が沈下・傾斜し、被害率は実に20%に達しています。
関東の液状化との決定的な違い
浦安の液状化は「埋立地に限定」されていました。元から住んでいた地域(元町)はほぼ無傷だったので、埋立地を避ければ液状化リスクは回避できたわけです。
ところが新潟は事情が異なります。信濃川・阿賀野川沿いの市街地は、ほぼ全域が液状化リスクエリア。埋立地だけでなく、昔からの街も液状化するというのが新潟の現実なんです。そのため、「どこに住んでも液状化リスクがある」と考えて地震保険に入るのが新潟の常識になっています。
日本海側の津波は15分で到達する【津波ハザードマップ】
「津波?日本海側だから関係ないでしょ」
関東出身者の多くがそう思っています。でも、これは大間違いです。
1964年新潟地震の津波は15分で到達した
地震発生は13時01分、津波到達は13時15分頃。わずか15分しかありませんでした。
太平洋側の津波は、震源が海溝(沖合数百km)にあるため、到達まで30分〜数時間の猶予があります。東日本大震災でも、津波到達まで約30分ありました。しかし日本海側は震源が陸地に近いため、揺れが収まってから避難を始めたら間に合わない可能性があるんです。
信濃川を遡上する津波に要注意
さらに厄介なのが、津波が信濃川・阿賀野川を遡上すること。海岸から何キロも離れた内陸部まで津波が押し寄せるため、「うちは海から遠いから大丈夫」は通用しません。川の近くに住んでいる人は、特に注意が必要です。
ちなみに2024年1月の能登半島地震でも、日本海側に津波警報が発表されました。日本海側でも津波は来る。これを忘れないでください。新潟では「強い揺れ=即避難」が鉄則です。揺れている最中でも、津波避難ビルか高台へ走る。関東の感覚とは時間軸がまったく違います。
新潟の雪は「災害」ではなく「日常」【雪対策】
関東出身者が新潟で最も驚くのが、雪です。
東京で5cm積もれば大騒ぎ。電車は止まり、会社は休みになり、コンビニからパンが消える。「雪=非常事態」が関東の常識ですよね。ところが新潟では、50cm積もっても普通に出勤します。
新潟の冬、こんな感じです
朝起きたら50cm積もっている。いつものことです。雪かきしないと玄関から出られないので、毎朝6時に起きて雪かき。車が雪に埋まっていたらスコップで掘り出し、屋根の雪下ろしをやらないと家が潰れることも。
雪は「災害」ではなく「日常」。11月から3月まで、5ヶ月間これが続きます。
雪かき道具、全部揃えてください
スコップ、スノーダンプ、長靴、防寒着、融雪剤。全部必要です。ホームセンターで一式揃えると、軽く3万円は飛びます。
車は4WDがおすすめ。2WDで新潟の冬を乗り切るのは正直かなり厳しいです。スタッドレスタイヤも、11月には履き替えておきましょう。
そして忘れてはいけないのが、雪下ろし事故。屋根からの転落、雪に埋まって窒息、除雪機に巻き込まれる。雪関連の死亡事故は毎年発生しています。「たかが雪」と甘く見ると命に関わります。高齢者は特に危険なので、除雪業者に頼むのも選択肢のひとつ。シーズン数万円〜数十万円かかりますが、安全には代えられません。
台風より怖い?新潟の長い梅雨と集中豪雨【洪水ハザードマップ】
意外かもしれませんが、新潟は台風の直撃が少ない地域です。
関東では毎年のように台風が直撃し、電車が止まり、川が氾濫します。2019年の台風19号では、多摩川が氾濫して武蔵小杉のタワマンが浸水したのは記憶に新しいところ。新潟は日本海側なので台風のコースから外れることが多いのですが、その代わり梅雨と秋雨が長い。しとしと雨が1ヶ月続くこともザラにあります。
1998年8月4日、新潟を襲った記録的豪雨
時間最大97mm、24時間で265mm。それまでの記録54mmを大幅に更新する、観測史上最大の豪雨でした。新潟市では1万棟以上が浸水し、排水機場のポンプが故障して都市機能が完全に麻痺しました。
新潟の水害は「短時間の集中豪雨」ではなく「長時間の降雨で川が氾濫」するタイプ。じわじわと水位が上がっていくので、油断していると逃げ遅れます。
新潟で地震保険に入らないのはありえない【保険の選び方】
関東では「埋立地に住む人は地震保険に入る」くらいの認識かもしれません。でも新潟では「どこに住んでも地震保険は必須」です。
新潟の地震保険加入率は全国トップクラス
1964年新潟地震を経験した新潟県民は、地震保険の重要性を身をもって知っています。特に液状化リスクが高い新潟市では、加入率が非常に高い。ちなみに、火災保険だけでは液状化被害は補償されません。地震保険への加入が必須なんです。
地震保険に入っていないとこうなる
液状化で家が傾く。補修費用は数百万円〜数千万円。すべて自腹。住宅ローンだけが残る。想像しただけでゾッとしますよね。
地震保険に入っていれば、建物の損害に応じて保険金が支払われます。全壊なら最大100%、大規模半壊なら60%、半壊なら30%。新潟に住むなら、地震保険は「入るかどうか」ではなく「いくらかけるか」の問題です。
結局、新潟市内のどこに住めば安全なの?
「じゃあ、新潟市のどこに住めば安全なの?」
正直に言います。新潟市で完全に安全なエリアは、ほぼありません。信濃川・阿賀野川に挟まれた低地なので、どこに住んでもリスクはあります。
エリアごとにリスクの種類が違う
新潟市内は大きく分けて、海沿い・川沿い・内陸部・高台の4タイプに分かれます。それぞれリスクの種類が異なるため、「完全に安全な場所」を探すよりも「自分が許容できるリスク」を選ぶ考え方が現実的です。
たとえば、中央区は利便性が高い反面、信濃川に近く洪水リスクがあります。東区は新潟空港や港湾があり交通の便が良いですが、海抜が低いエリアも。西区には高台もありますが、すべてが高台というわけではありません。江南区は亀田郷と呼ばれる干拓地で、海抜が低いエリアが多い。
どのエリアにもメリット・デメリットがあるので、住まハザで具体的な町名を検索して、ご自身で比較検討されることをおすすめします。
どこに住むにしても、この3つは必ずやる
新潟市内であれば、どのエリアに住むにしても以下の3つは必須です。まず、地震保険に加入する。次に、津波避難ビルや高台を確認しておく。そして、非常食と防災グッズを備蓄する。リスクを理解した上で備えをすれば、「覚悟して住む」ことができます。
まとめ:新潟の災害リスク、甘く見ないで
関東から新潟に移住する人に、最後に伝えたいこと。新潟の災害リスクを、甘く見ないでください。
「地方だから災害は少ないだろう」「東京より安全だろう」。そんな思い込みは今すぐ捨ててください。1964年新潟地震で起きたことは、いつ繰り返されてもおかしくありません。アパートが横倒しになり、橋が落ち、火災が12日間燃え続け、津波が15分で到達し、液状化で街が沈んだ。これが現実です。
雪は毎年降ります。毎朝6時に起きて雪かきする生活が5ヶ月続き、屋根の雪下ろしで毎年人が亡くなります。
でも、新潟は素晴らしい街です。米も魚も酒もうまい。人は優しく、自然は豊か。暮らしやすい街なんです。災害リスクを正しく理解し、備えをすれば、安心して暮らせます。地震保険に入り、雪かき道具を揃え、津波避難ビルを確認する。それだけで、リスクは大幅に減らせます。
新潟での新生活、応援しています。
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