新潟市江南区の過去の災害|亀田郷の水害史と排水対策の歴史

更新日:2026.10.13

新潟市江南区でマイホームの購入や賃貸を検討している方、またはすでに江南区にお住まいの方にとって、過去の災害から学ぶことは非常に重要です。

2025年12月8日、青森県で震度6強の地震が発生し、津波警報が発表されました。災害は繰り返されます。

過去の災害を知ることで、将来の災害に備えることができます。

この記事では、新潟市江南区の過去の災害を詳しく解説し、亀田郷の水害史と排水対策の歴史をご紹介します。

 

✍️ この記事の執筆者について
NoTown代表(新潟市西区・東青山)
建築業界20年・不動産業界10年・損害保険販売6年の経験を持つ新潟市の専門家。二級建築士・宅地建物取引士・FP・損保代理店の資格を保有。自宅が地震で被災した際の保険申請も実体験として経験しています。2026年7月の大雨でも現地確認を実施した新潟市の防災と不動産のプロです。

新潟市江南区の主な過去の災害

新潟市江南区は「亀田郷」と呼ばれる低湿地帯で、古くから水害に悩まされてきました。

災害名 発生日 規模 江南区の特徴
新潟地震 1964年6月16日 M7.5、震度5 液状化、浸水被害
8.4水害 1998年8月4日 265mm/日 低地で浸水被害
亀田郷の水害 歴史的に繰り返し – 「地図にない湖」

 

亀田郷の水害史【「地図にない湖」の歴史】

江南区が位置する「亀田郷」は、かつて「地図にない湖」と呼ばれるほど水が溜まりやすい土地でした。

亀田郷とは

亀田郷は、信濃川と阿賀野川に挟まれた低湿地帯です。

江戸時代から昭和にかけて、たびたび洪水に見舞われてきました。

海抜が低く、自然排水ができないため、大雨のたびに水が溜まり、湖のようになりました。

「地図にない湖」の由来

亀田郷は、大雨のたびに広大な湖のように水没しました。

しかし、水が引くと元の農地に戻るため、地図には湖として記載されませんでした。

このため「地図にない湖」と呼ばれるようになりました。

歴史的な水害

江戸時代から明治・大正・昭和にかけて、亀田郷は繰り返し水害に見舞われました。

1730年、阿賀野川の流路を松ヶ崎で掘削し、日本海に直接流す大工事が行われました。

それまで阿賀野川は信濃川と合流しており、洪水のリスクが非常に高かったのです。

しかし、流路変更後も亀田郷の水害は続きました。

 

親松排水機場の建設【亀田郷を救った大事業】

亀田郷の水害を根本的に解決したのが、親松排水機場の建設です。

親松排水機場とは

親松排水機場は、鳥屋野潟の水を信濃川に強制排水するポンプ施設です。

4台のポンプがあり、毎秒60トンの排水能力があります。

年間約3.7億立方メートルの水を排出しており、約3日で鳥屋野潟が空になる計算です。

鳥屋野潟の役割

鳥屋野潟は、新潟市の雨水を集める洪水調整池です。

水面は海抜マイナス2.5mで、新潟市で最も低い土地です。

新潟市全域の雨水が鳥屋野潟に集まり、親松排水機場のポンプで信濃川に排出されます。

親松排水機場の歴史

親松排水機場は、戦前から計画されていましたが、戦争により中断されました。

戦後、本格的な建設が始まり、完成後は亀田郷の水害が大幅に減少しました。

現在でも、親松排水機場は亀田郷の生活を支える生命線です。

 

1964年新潟地震【江南区の被害】

1964年6月16日13時01分、新潟県下越沖を震源とするM7.5の地震が発生しました。

地震の概要

  • 発生日時:1964年6月16日13時01分
  • 震源:新潟県下越沖、深さ34km
  • マグニチュード:7.5
  • 最大震度:5(新潟市、山形県など)
  • 被害:死者26人、住家全壊1,960棟、半壊6,640棟

江南区(当時の亀田町・横越村)の被害

江南区は亀田郷の低湿地で、液状化と浸水被害が発生しました。

①液状化による建物被害

亀田郷は泥炭層を含む軟弱地盤が広がり、液状化リスクが高いエリアです。

1964年新潟地震でも、亀田地区で液状化による建物の沈下・傾斜が発生しました。

新潟市内1,530棟の鉄筋コンクリート造のうち、189棟が液状化で沈下・傾斜しました。

②地盤沈下

亀田郷では、地下水の大量揚水により地盤沈下が進行していました。

1964年新潟地震では、液状化と地盤沈下が重なり、被害が拡大しました。

③浸水被害

地震による液状化で堤防が損傷し、その後の津波により浸水被害が発生しました。

亀田郷は海抜が低いため、一度浸水すると水が引きにくく、長期化しました。

 

1998年8月4日豪雨(8.4水害)【江南区の被害】

1998年8月4日、新潟市を中心に記録的な豪雨が発生しました。

豪雨の概要

  • 発生日:1998年8月4日
  • 24時間降水量:265mm(新潟市、観測史上1位)
  • 1時間最大降水量:97mm
  • 被害:死者2人、床上浸水2,560棟、床下浸水15,134棟

江南区の被害状況

江南区は海抜が低く、全域で浸水リスクが高いエリアです。

1998年豪雨でも、低地エリアで浸水被害が発生しました。

親松排水機場のポンプがフル稼働しましたが、降雨量が排水能力を超える場合、浸水が発生します。

鳥屋野潟の水位上昇

大雨時は、新潟市全域の雨水が鳥屋野潟に集まるため、水位が急上昇します。

親松排水機場のポンプで信濃川に排出しますが、信濃川の水位が高い場合は排水が困難になります。

このため、大雨と河川増水が重なると、浸水リスクが非常に高くなります。

 

過去の災害から学ぶ教訓【江南区】

過去の災害から、江南区に住む上で重要な教訓を学びましょう。

教訓1:親松排水機場の重要性

江南区(亀田郷)の生活は、親松排水機場のポンプに依存しています。

もしポンプが止まると、亀田郷は再び「地図にない湖」になってしまいます。

大雨時は親松排水機場の稼働状況に注意し、早めの避難を心がけましょう。

教訓2:鳥屋野潟の治水機能

鳥屋野潟は、新潟市全域の雨水を集める洪水調整池です。

水面は海抜マイナス2.5mで、新潟市で最も低い土地です。

大雨時は鳥屋野潟の水位に注意し、水位情報を確認しましょう。

教訓3:液状化リスクの高さ

江南区は泥炭層を含む軟弱地盤が広がり、液状化リスクが高いエリアです。

住まハザの液状化マップで、自宅の液状化リスクを必ず確認しましょう。

地震保険への加入が重要です。

教訓4:高台エリアがゼロ

江南区は海抜10m以上のエリアがゼロで、4区の中で唯一、高台エリアが存在しません。

津波や洪水時の避難は、津波避難ビルや避難所への避難が必須です。

複数の避難場所を確認しておくことが重要です。

教訓5:2028年開発と排水対策

2028年鳥屋野潟南部開発が予定されており、商業施設や住居エリアが整備されます。

開発に伴い、排水対策も同時に進められる予定です。

新しい住宅地でも、海抜と排水システムの確認が重要です。

 

江南区で災害に備えるために

過去の災害の教訓を活かし、今すぐできる備えを始めましょう。

自宅の災害リスクを確認する

□液状化マップで自宅の液状化リスクを確認

□津波ハザードマップで津波浸水想定を確認

□洪水ハザードマップで信濃川・阿賀野川氾濫時の浸水想定を確認

□海抜を確認(江南区は全域で海抜が低い)

 

地震・液状化への備え

□地震保険に加入する

□家具の転倒防止対策を実施

□避難所の場所を確認

□非常持ち出し袋を準備

 

豪雨・洪水への備え

□側溝や雨どいを定期的に清掃

□土のうや止水板を準備

□親松排水機場のポンプ稼働状況を確認する方法を知る

□鳥屋野潟の水位情報を確認する方法を知る

□信濃川・阿賀野川の水位情報を確認する方法を知る

□避難場所と避難経路を確認

 

まとめ:江南区は排水システムが生命線

新潟市江南区の過去の災害について解説してきました。

江南区が位置する亀田郷は、かつて「地図にない湖」と呼ばれるほど水害に悩まされてきました。

親松排水機場の建設により、亀田郷の水害は大幅に減少しましたが、ポンプに依存した排水システムです。

1964年新潟地震では、液状化により建物が沈下・傾斜し、浸水被害が発生しました。

1998年8月4日豪雨でも、低地エリアで浸水被害が発生しました。

江南区は海抜10m以上のエリアがゼロで、全域で液状化・洪水のリスクが高いです。

鳥屋野潟と親松排水機場が江南区の排水を支えており、ポンプが止まると浸水リスクが急上昇します。

2028年鳥屋野潟南部開発では、排水対策も同時に進められる予定です。

江南区に住む場合は、排水システムへの理解、地震保険への加入、避難場所の確認が必須です。

住まハザでは、新潟市江南区の災害リスク情報を無料で検索できます。あなたの気になる住所を今すぐチェックして、安全な暮らしを実現してください。