新潟市の過去の災害4区徹底比較|地震・水害から学ぶ防災対策

更新日:2026.01.06

新潟市でマイホームの購入や賃貸を検討している方にとって、どの区を選ぶかは非常に重要な決断です。

2025年12月8日、青森県で震度6強の地震が発生し、津波警報が発表されました。災害は繰り返されます。

過去の災害を知ることで、将来の災害に備えることができます。

この記事では、新潟市4区の過去の災害を徹底比較し、地震・水害から学ぶ防災対策をご紹介します。

 

新潟市4区の過去の災害 概要

新潟市4区は、それぞれ異なる地形的特徴により、過去の災害でも被害状況が大きく異なりました。

区名 1964年新潟地震 1998年豪雨 地形的特徴
西区 高台は被害少、低地は液状化 越後線路盤流出 新潟砂丘の高台
中央区 液状化・津波・火災 1万棟以上浸水 信濃川河口低地
東区 空港冠水、液状化 低地で浸水 阿賀野川河口平坦地
江南区 液状化、浸水 低地で浸水 亀田郷低湿地

 

1964年新潟地震【4区の被害比較】

1964年6月16日13時01分、新潟県下越沖を震源とするM7.5の地震が発生しました。

地震の基本情報

  • 発生日時:1964年6月16日13時01分
  • 震源:新潟県下越沖、深さ34km
  • マグニチュード:7.5
  • 最大震度:5(新潟市、山形県など)
  • 被害:死者26人、住家全壊1,960棟、半壊6,640棟
  • 津波:最大4m(新潟市)

🏔️ 西区:高台エリアは被害最小

西区は新潟砂丘の地形により、被害が地域で大きく異なりました。

高台エリア(五十嵐・寺尾・内野)

  • 海抜20m以上の砂丘高台で、液状化被害がほとんどなし
  • 建物被害が非常に少なく、安全性が証明された
  • 地震後、坂井輪・内野地区の宅地開発が加速
  • 1975年新潟大学五十嵐キャンパス移転(地盤の良さが評価)

低地エリア(小新・青山・大野町)

  • 砂丘間低地で液状化被害が発生
  • 海抜が低く、津波リスクも高い

🌊 中央区:液状化・津波・火災の三重被害

中央区は信濃川河口の低地で、最も被害が大きかったエリアです。

液状化被害

  • 川岸町アパート8棟のうち3棟が傾斜、4号棟はほぼ横倒し
  • 昭和大橋の落橋(竣工1か月後)
  • 新潟市内1,530棟のRC造のうち189棟が沈下・傾斜
  • 信濃川沿岸で最大12mの側方流動が発生
  • 万代橋付近で川幅が約23m狭まる

津波被害

  • 地震から約15分後に津波襲来、高さ4mに達する
  • 山ノ下地区など信濃川沿いで広範囲に浸水
  • 一部の冠水は1ヶ月に及ぶ

昭和石油火災

  • 143基の石油タンクが延焼、12日間燃え続ける
  • 全焼347棟、被災347世帯、罹災者1,407人
  • 日本史上最大級のコンビナート火災

✈️ 東区:空港冠水と液状化被害

東区は阿賀野川河口の平坦な低地で、全域で被害が発生しました。

新潟空港の被害

  • 液状化と津波により滑走路が冠水
  • 日本海と阿賀野川河口に挟まれた低地に位置
  • 空港機能が停止

山ノ下地区の津波被害

  • 信濃川右岸で広範囲の浸水被害
  • 一部の冠水は1ヶ月に及ぶ

液状化被害

  • 阿賀野川河口の沖積平野で液状化が発生
  • RC造建物が傾斜・沈下
  • 阿賀野川の堤防が液状化で損傷

🌾 江南区:液状化と浸水被害

江南区は亀田郷の低湿地で、液状化と浸水被害が発生しました。

液状化被害

  • 泥炭層を含む軟弱地盤で液状化が発生
  • 建物が沈下・傾斜
  • 地盤沈下と液状化が重なり被害が拡大

浸水被害

  • 液状化で堤防が損傷、津波により浸水
  • 海抜が低く、水が引きにくく長期化

 

1998年8月4日豪雨(8.4水害)【4区の被害比較】

1998年8月4日、新潟市を中心に記録的な豪雨が発生しました。

豪雨の基本情報

  • 発生日:1998年8月4日
  • 24時間降水量:265mm(新潟市、観測史上1位)
  • 1時間最大降水量:97mm(それまでの記録54mm)
  • 被害:死者2人、床上浸水2,560棟、床下浸水15,134棟

各区の被害状況

区名 被害状況 原因
西区 越後線路盤流出、高台は被害少 低地エリアのみ浸水
中央区 1万棟以上浸水、都市機能麻痺 排水機場ポンプ故障、海抜低い
東区 低地で浸水被害 全域で海抜が低い
江南区 低地で浸水被害 親松排水機場の排水能力超過

 

4区の災害リスク総合評価

過去の災害から、4区の災害リスクを総合的に評価します。

区名 液状化 津波 洪水 総合評価
西区(高台) ◎ 低い ◎ 低い ◎ 低い 最も安全
西区(低地) △ 中程度 △ 中程度 △ 中程度 注意必要
中央区(高台) ○ やや低い ○ やや低い ○ やや低い 比較的安全
中央区(低地) × 高い × 高い × 高い リスク高
東区 × 高い × 高い × 高い リスク高
江南区 × 高い △ 中程度 × 高い リスク高

 

過去の災害から学ぶ4つの重要教訓

過去の災害から、新潟市に住む上で重要な教訓を学びましょう。

教訓1:地形による災害リスクの違い

1964年新潟地震でも1998年豪雨でも、高台エリアと低地エリアで被害が大きく異なりました。

西区の五十嵐・寺尾地区(海抜20m以上)は、ほぼ無傷でした。

中央区・東区・江南区の低地エリアは、液状化・津波・洪水の三重被害を受けました。

海抜と地形を確認することが、最も重要な防災対策です。

教訓2:液状化現象の恐ろしさ

1964年新潟地震は、都市部で液状化被害が発生した初めての大規模災害でした。

川岸町アパートがほぼ横倒しになり、昭和大橋が落橋し、液状化の恐ろしさを世界に知らしめました。

この地震を契機に、液状化研究が本格化し、1966年に地震保険制度が創設されました。

液状化リスクの確認と地震保険への加入が重要です。

教訓3:津波は日本海側でも発生する

1964年新潟地震では、地震から約15分後に津波が襲来し、高さ4mに達しました。

2025年12月8日の青森地震でも、津波警報が発表されました。

日本海側でも津波は発生します。強い揺れを感じたら、すぐに高台か津波避難ビルへ避難しましょう。

教訓4:排水システムの重要性

1998年豪雨では、排水機場のポンプ故障が浸水被害を拡大させました。

海抜が低いエリアでは、排水システムが生活の生命線です。

江南区の親松排水機場、中央区の排水機場など、排水システムへの理解が重要です。

 

過去の災害を受けた防災対策の変遷

過去の災害を受けて、新潟市では様々な防災対策が進められてきました。

やすらぎ堤の整備(1983年~)

1964年新潟地震で信濃川の堤防が液状化で損傷したことを受け、1983年から「やすらぎ堤」の整備が開始されました。

地震の揺れに強い緩い勾配(5割勾配)を採用し、堤防の液状化対策を実施しています。

建築基準法の改正

1964年新潟地震を受けて、液状化対策を含む耐震基準が強化されました。

1981年には新耐震基準が施行され、建物の耐震性が大幅に向上しました。

地震保険制度の創設(1966年)

1964年新潟地震を契機に、1966年に地震保険制度が創設されました。

液状化による建物被害は火災保険では補償されず、地震保険が重要です。

石油コンビナート等災害防止法(1975年)

昭和石油火災を契機に、石油コンビナート等災害防止法が制定されました。

タンクの耐震基準が強化され、消防体制が大幅に改善されました。

排水システムの改善

1998年豪雨を受けて、排水機場のポンプ能力増強や雨水貯留施設の整備が進められました。

 

4区で災害に備えるために【区別チェックリスト】

過去の災害の教訓を活かし、区ごとに備えを始めましょう。

西区(高台エリア)にお住まいの方

□地震への備え(家具の転倒防止、非常持ち出し袋)

□地震保険への加入

□避難所の確認

 

中央区・東区・江南区・西区(低地)にお住まいの方

□液状化マップで自宅のリスクを確認

□津波避難ビルの場所を確認

□洪水ハザードマップで浸水想定を確認

□地震保険への加入

□豪雨への備え(側溝清掃、土のう準備)

□排水機場のポンプ稼働状況を確認する方法を知る

 

まとめ:西区の高台が最も安全、低地はリスク高

新潟市4区の過去の災害について徹底比較してきました。

1964年新潟地震では、西区の高台エリアは被害が最小で、中央区・東区・江南区の低地エリアは液状化・津波・火災の三重被害を受けました。

川岸町アパートがほぼ横倒しになり、昭和大橋が落橋し、昭和石油火災が12日間燃え続けました。

1998年8月4日豪雨では、中央区で1万棟以上が浸水し、排水機場のポンプ故障が被害を拡大させました。

西区の五十嵐・寺尾地区(海抜20m以上)は、過去の災害でほぼ無傷で、新潟市で最も安全なエリアです。

中央区・東区・江南区は全域で災害リスクが高く、液状化・津波・洪水への備えが必須です。

過去の災害を受けて、やすらぎ堤の整備、新耐震基準の施行、地震保険制度の創設など、様々な防災対策が進められてきました。

住まハザで自宅の海抜・液状化リスク・津波浸水想定・洪水浸水想定を確認し、過去の災害から学んだ教訓を活かして防災対策を実施しましょう。

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