新潟市江南区の過去の災害|亀田郷の水害史と排水対策の歴史
新潟市江南区でマイホームの購入や賃貸を検討している方、またはすでに江南区にお住まいの方にとって、過去の災害から学ぶことは非常に重要です。
2025年12月8日、青森県で震度6強の地震が発生し、津波警報が発表されました。災害は繰り返されます。
過去の災害を知ることで、将来の災害に備えることができます。
この記事では、新潟市江南区の過去の災害を詳しく解説し、亀田郷の水害史と排水対策の歴史をご紹介します。

新潟市江南区の主な過去の災害
新潟市江南区は「亀田郷」と呼ばれる低湿地帯で、古くから水害に悩まされてきました。
| 災害名 | 発生日 | 規模 | 江南区の特徴 |
|---|---|---|---|
| 新潟地震 | 1964年6月16日 | M7.5、震度5 | 液状化、浸水被害 |
| 8.4水害 | 1998年8月4日 | 265mm/日 | 低地で浸水被害 |
| 亀田郷の水害 | 歴史的に繰り返し | – | 「地図にない湖」 |
亀田郷の水害史【「地図にない湖」の歴史】
江南区が位置する「亀田郷」は、かつて「地図にない湖」と呼ばれるほど水が溜まりやすい土地でした。
亀田郷とは
亀田郷は、信濃川と阿賀野川に挟まれた低湿地帯です。
江戸時代から昭和にかけて、たびたび洪水に見舞われてきました。
海抜が低く、自然排水ができないため、大雨のたびに水が溜まり、湖のようになりました。
「地図にない湖」の由来
亀田郷は、大雨のたびに広大な湖のように水没しました。
しかし、水が引くと元の農地に戻るため、地図には湖として記載されませんでした。
このため「地図にない湖」と呼ばれるようになりました。
歴史的な水害
江戸時代から明治・大正・昭和にかけて、亀田郷は繰り返し水害に見舞われました。
1730年、阿賀野川の流路を松ヶ崎で掘削し、日本海に直接流す大工事が行われました。
それまで阿賀野川は信濃川と合流しており、洪水のリスクが非常に高かったのです。
しかし、流路変更後も亀田郷の水害は続きました。
親松排水機場の建設【亀田郷を救った大事業】
亀田郷の水害を根本的に解決したのが、親松排水機場の建設です。
親松排水機場とは
親松排水機場は、鳥屋野潟の水を信濃川に強制排水するポンプ施設です。
4台のポンプがあり、毎秒60トンの排水能力があります。
年間約3.7億立方メートルの水を排出しており、約3日で鳥屋野潟が空になる計算です。
鳥屋野潟の役割
鳥屋野潟は、新潟市の雨水を集める洪水調整池です。
水面は海抜マイナス2.5mで、新潟市で最も低い土地です。
新潟市全域の雨水が鳥屋野潟に集まり、親松排水機場のポンプで信濃川に排出されます。
親松排水機場の歴史
親松排水機場は、戦前から計画されていましたが、戦争により中断されました。
戦後、本格的な建設が始まり、完成後は亀田郷の水害が大幅に減少しました。
現在でも、親松排水機場は亀田郷の生活を支える生命線です。
1964年新潟地震【江南区の被害】
1964年6月16日13時01分、新潟県下越沖を震源とするM7.5の地震が発生しました。
地震の概要
- 発生日時:1964年6月16日13時01分
- 震源:新潟県下越沖、深さ34km
- マグニチュード:7.5
- 最大震度:5(新潟市、山形県など)
- 被害:死者26人、住家全壊1,960棟、半壊6,640棟
江南区(当時の亀田町・横越村)の被害
江南区は亀田郷の低湿地で、液状化と浸水被害が発生しました。
①液状化による建物被害
亀田郷は泥炭層を含む軟弱地盤が広がり、液状化リスクが高いエリアです。
1964年新潟地震でも、亀田地区で液状化による建物の沈下・傾斜が発生しました。
新潟市内1,530棟の鉄筋コンクリート造のうち、189棟が液状化で沈下・傾斜しました。
②地盤沈下
亀田郷では、地下水の大量揚水により地盤沈下が進行していました。
1964年新潟地震では、液状化と地盤沈下が重なり、被害が拡大しました。
③浸水被害
地震による液状化で堤防が損傷し、その後の津波により浸水被害が発生しました。
亀田郷は海抜が低いため、一度浸水すると水が引きにくく、長期化しました。
1998年8月4日豪雨(8.4水害)【江南区の被害】
1998年8月4日、新潟市を中心に記録的な豪雨が発生しました。
豪雨の概要
- 発生日:1998年8月4日
- 24時間降水量:265mm(新潟市、観測史上1位)
- 1時間最大降水量:97mm
- 被害:死者2人、床上浸水2,560棟、床下浸水15,134棟
江南区の被害状況
江南区は海抜が低く、全域で浸水リスクが高いエリアです。
1998年豪雨でも、低地エリアで浸水被害が発生しました。
親松排水機場のポンプがフル稼働しましたが、降雨量が排水能力を超える場合、浸水が発生します。
鳥屋野潟の水位上昇
大雨時は、新潟市全域の雨水が鳥屋野潟に集まるため、水位が急上昇します。
親松排水機場のポンプで信濃川に排出しますが、信濃川の水位が高い場合は排水が困難になります。
このため、大雨と河川増水が重なると、浸水リスクが非常に高くなります。
過去の災害から学ぶ教訓【江南区】
過去の災害から、江南区に住む上で重要な教訓を学びましょう。
教訓1:親松排水機場の重要性
江南区(亀田郷)の生活は、親松排水機場のポンプに依存しています。
もしポンプが止まると、亀田郷は再び「地図にない湖」になってしまいます。
大雨時は親松排水機場の稼働状況に注意し、早めの避難を心がけましょう。
教訓2:鳥屋野潟の治水機能
鳥屋野潟は、新潟市全域の雨水を集める洪水調整池です。
水面は海抜マイナス2.5mで、新潟市で最も低い土地です。
大雨時は鳥屋野潟の水位に注意し、水位情報を確認しましょう。
教訓3:液状化リスクの高さ
江南区は泥炭層を含む軟弱地盤が広がり、液状化リスクが高いエリアです。
住まハザの液状化マップで、自宅の液状化リスクを必ず確認しましょう。
地震保険への加入が重要です。
教訓4:高台エリアがゼロ
江南区は海抜10m以上のエリアがゼロで、4区の中で唯一、高台エリアが存在しません。
津波や洪水時の避難は、津波避難ビルや避難所への避難が必須です。
複数の避難場所を確認しておくことが重要です。
教訓5:2028年開発と排水対策
2028年鳥屋野潟南部開発が予定されており、商業施設や住居エリアが整備されます。
開発に伴い、排水対策も同時に進められる予定です。
新しい住宅地でも、海抜と排水システムの確認が重要です。
江南区で災害に備えるために
過去の災害の教訓を活かし、今すぐできる備えを始めましょう。
自宅の災害リスクを確認する
□液状化マップで自宅の液状化リスクを確認
□津波ハザードマップで津波浸水想定を確認
□洪水ハザードマップで信濃川・阿賀野川氾濫時の浸水想定を確認
□海抜を確認(江南区は全域で海抜が低い)
地震・液状化への備え
□地震保険に加入する
□家具の転倒防止対策を実施
□避難所の場所を確認
□非常持ち出し袋を準備
豪雨・洪水への備え
□側溝や雨どいを定期的に清掃
□土のうや止水板を準備
□親松排水機場のポンプ稼働状況を確認する方法を知る
□鳥屋野潟の水位情報を確認する方法を知る
□信濃川・阿賀野川の水位情報を確認する方法を知る
□避難場所と避難経路を確認
まとめ:江南区は排水システムが生命線
新潟市江南区の過去の災害について解説してきました。
江南区が位置する亀田郷は、かつて「地図にない湖」と呼ばれるほど水害に悩まされてきました。
親松排水機場の建設により、亀田郷の水害は大幅に減少しましたが、ポンプに依存した排水システムです。
1964年新潟地震では、液状化により建物が沈下・傾斜し、浸水被害が発生しました。
1998年8月4日豪雨でも、低地エリアで浸水被害が発生しました。
江南区は海抜10m以上のエリアがゼロで、全域で液状化・洪水のリスクが高いです。
鳥屋野潟と親松排水機場が江南区の排水を支えており、ポンプが止まると浸水リスクが急上昇します。
2028年鳥屋野潟南部開発では、排水対策も同時に進められる予定です。
江南区に住む場合は、排水システムへの理解、地震保険への加入、避難場所の確認が必須です。
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