住まハザで確認——2026年7月大雨で浸水した新潟市のエリアとハザードマップの一致を検証

更新日:2026.09.05
2026年7月26日の新潟市大雨で実際に浸水したエリアは、ハザードマップ上でどのような評価だったのでしょうか。「ハザードマップなんて当たらないのでは」と感じている方もいるかもしれません。本記事では、今回の浸水エリアと住まハザ・国土交通省のハザードマップを照らし合わせ、データの信頼性と、自分の住む場所のリスクを確認する具体的な方法を解説します。

✍️ この記事の執筆者について
建築業界20年・不動産業界10年・損害保険販売6年の経験を持つ新潟市西区の不動産会社「NoTown」代表が執筆しています。二級建築士・宅建士・FP・損保代理店の資格を保有し、自宅が地震で被災した際の保険申請も実体験として経験しています。

7月26日の浸水エリアを地図で振り返る

2026年7月26日の新潟市大雨では、中央区万代周辺、東区の住宅街、北区の安野川周辺で特に大きな浸水被害が確認されました。道路の冠水は30〜50cmに達し、住宅の床上浸水も複数報告されています。

これらのエリアに共通するのは、信濃川・阿賀野川・安野川といった大きな河川の近くに位置する低地であるという点です。低地は雨水や河川の水が集まりやすく、排水が追いつかなくなると内水氾濫が発生しやすい地形的な特徴を持っています。

被害の様子をあらためて振り返ると、中央区万代周辺では道路の冠水によって歩行者・車両の通行が困難になり、店舗の浸水も発生しました。東区・北区安野川周辺では住宅街まで水が及び、床上浸水となった住宅も複数確認されています。こうした被害の広がり方を地図上で見ていくと、単なる偶然ではなく、地形に沿った一定の傾向があることが分かります。

住まハザのスコアと実際の浸水エリアは一致したか

今回浸水した中央区万代周辺・東区・北区安野川周辺は、国土交通省が公表しているハザードマップにおいても、以前から浸水想定区域に指定されていたエリアと重なります。住まハザで公開しているスコアも、これらのエリアについては相対的にリスクが高い評価となっていました。

住まハザは、国が公開しているハザードマップの浸水想定区域データや地形データをもとに、新潟市内の町名ごとのリスクを分かりやすいスコアとして表示しています。専門的な地図情報を読み解かなくても、住所や町名を調べるだけでおおよそのリスク傾向をつかめる点が特徴です。

📌 ポイント
ハザードマップは「当たる・当たらない」の予言ではなく、過去の降雨データや地形をもとにした科学的なリスク評価です。今回の一致は、こうした評価が実際の被害傾向をよく反映していることを示しています。

もちろん、すべての被害を100%予測できるわけではありませんが、リスクの高いエリアと低いエリアの傾向を事前に把握しておくことには大きな意味があります。「ハザードマップは大げさに書かれている」という声を聞くこともありますが、今回のように実際の被害と重なる例を見ると、少なくとも警戒すべきエリアの目安としては十分に機能していると言えます。

新潟市中央区・東区が浸水しやすい地理的理由

建築士として地盤や地形を見る立場から説明すると、新潟市中央区・東区の一部エリアは、信濃川・阿賀野川に挟まれた沖積平野に位置しており、標高が低く、地盤も比較的軟弱な地域が含まれます。こうした土地は本来的に水はけがよくない上、都市化によって地面の多くがアスファルトやコンクリートで覆われているため、雨水が地中に浸透しにくくなっています。

標高の低さ
河川近くの低平地は水が集まりやすく、排水に時間がかかります。

軟弱な地盤
沖積平野特有の軟弱地盤は、浸水だけでなく液状化のリスクも抱えています。

都市化による排水能力の限界
舗装された市街地は雨水が地中に浸透しにくく、下水道の処理能力を超える大雨で内水氾濫が起こりやすくなります。

今回の大雨では6時間雨量89.5mmという、下水道の設計基準を上回る降雨がありました。もともと排水インフラは一定の降雨量を前提に整備されていますが、その想定を超える雨が短時間に集中すると、どれだけ整備された地域でも一時的に水があふれてしまいます。中央区万代・東区・北区安野川周辺は、こうした排水能力の限界に加えて、河川近くの低地という地形的な条件が重なったことで、被害が大きくなったと考えられます。

住まハザの使い方——自分のエリアのリスクを確認する方法

住まハザでは、新潟市内の町名ごとに浸水リスクなどのスコアを確認できます。これから住宅を購入・賃貸する予定のエリアや、すでにお住まいのエリアのリスクを、まず客観的なデータで把握することが第一歩です。

このエリアの浸水リスクを住まハザで確認する → https://sumahaza.com

スコアが高いエリアだからといって住んではいけないという意味ではありません。リスクを知った上で、水災補償付きの火災保険に加入する、盛土や高床構造の住宅を選ぶといった対策を取ることで、備えは十分に可能です。

大切なのは「知らずに住む」のではなく「知った上で選ぶ、あるいは備える」ことです。同じエリアであっても、建物の基礎の高さや周辺の排水インフラの状況によって、実際の被害の出方は変わってきます。住まハザのスコアはあくまで出発点として活用し、気になるエリアがあれば現地の状況や物件の構造まで踏み込んで確認することをおすすめします。

特に、これから新潟市内で住宅を購入・賃貸しようとしている方は、内見のタイミングだけでなく、契約前の情報収集の段階で一度住まハザを確認しておくと、後から「知らなかった」と後悔するリスクを減らせます。

浸水リスクが低いエリアに住む選択——新潟市西区の特徴

一方で、これから住み替えや引っ越しを検討している方にとっては、浸水リスクが相対的に低いエリアを選ぶという選択肢もあります。新潟市西区は、中央区・東区の一部エリアと比較すると標高が高い場所が多く、今回の大雨でも大きな浸水被害の報告は目立ちませんでした。

新潟市西区を拠点とする不動産会社NoTownでは、こうした地形の特徴を踏まえた物件のご提案が可能です。二級建築士・宅建士・インスペクション資格を持つスタッフが、土地の成り立ちまで踏まえたアドバイスを行っています。

もちろん新潟市西区の中でもエリアによって地形は異なり、すべてが等しく低リスクというわけではありません。だからこそ、住まハザのようなデータと、地元の地形を熟知した専門家の知見を組み合わせることが、後悔しない住まい選びにつながります。西区で住宅を検討する際も、候補エリアごとのスコアを比較しながら選ぶことをおすすめします。

まとめ——大雨のたびに「ここに住んでよかった」と思える家選び

✅ この記事のまとめ
・今回浸水した中央区万代周辺・東区・北区安野川周辺は、以前からハザードマップで浸水想定区域とされていた
・住まハザのスコアも実際の被害傾向とよく一致していた
・河川近くの低地・軟弱地盤・都市化による排水限界が浸水しやすさの背景にある
・住まハザで自分の候補エリアのリスクを事前に確認できる
・新潟市西区は相対的にリスクが低く、住み替え先の選択肢として検討する価値がある

大雨が降るたびに不安になるのではなく、「このエリアを選んでよかった」と思える住まい選びをするために、ハザードマップやデータに基づいた判断を取り入れてみてください。今回の検証を通じて、新潟市中央区・東区・北区の一部エリアと、住まハザ・国土交通省のハザードマップの評価が高い精度で一致していたことが確認できました。今後住宅を選ぶ際は、価格や間取りといった条件だけでなく、こうした客観的なリスクデータもあわせて確認することをおすすめします。

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