新潟市の液状化リスクマップ——冬の凍結・融雪で液状化地盤はさらに危険になるのか?

更新日:2026.10.21
新潟市の液状化リスクは、冬の凍結や融雪でさらに高まるのでしょうか。結論から言うと、冬の凍結・融雪が液状化の危険度をどれだけ高めるかを示す確立した基準はありません。ただし、液状化しやすい地盤は、凍上や融雪期の地下水位の上昇といった冬から春の条件とも重なります。この記事では、新潟市の液状化リスクマップの見方と、冬を含めた物件選びの考え方を解説します。
✍️ この記事の執筆者について
NoTown代表(新潟市西区・東青山)
建築業界20年・不動産業界10年・損害保険販売6年の経験を持つ新潟市の専門家。二級建築士・宅地建物取引士・FP・損保代理店の資格を保有。自宅が地震で被災した際の保険申請も実体験として経験しています。2026年7月の大雨でも現地確認を実施した新潟市の防災と不動産のプロです。

新潟市の液状化リスクエリアはどこか

液状化とは、地震の揺れで、水を含んだ砂の地盤が液体のようになる現象です。建物の傾きや沈下、道路の波打ち、マンホールの浮き上がり、地面からの噴砂が起こります。住まハザでは、町ごとの液状化リスクを1〜5のスコアで表示しており、数字が大きいほど危険度が高いことを示します。

住まハザのデータで、新潟市4区の液状化の傾向を比べると、次のとおりです。

中央区 平均スコア4.36
4区で最も高く、スコア5の町が50.7%を占めます。ただし都市部で地盤改良が進んでおり、2024年の地震での被害は限定的でした。
東区 平均スコア4.29
スコア4以上の町が94.2%と、4区で最も高い割合です。
江南区 平均スコア3.99
スコア5の町は10.7%と、4区で最も少ない区です。
西区 平均スコア3.83
平均は最も低い区です。しかし、2024年1月1日の能登半島地震では、1.1万件以上の液状化被害が出ました。

西区の被害が大きかった理由は、信濃川が運んだ砂が堆積した砂州の地盤が広がり、地下水位が高い低地が多いためです。スコアの平均だけでは、実際の被害は読み切れないことが分かります。

新潟市の液状化は、2024年が初めてではありません。1964年6月16日の新潟地震(M7.5)では、市内の広い範囲で液状化が起こり、建物の傾きや倒壊が相次ぎました。新潟市は、60年以上前から液状化の被害を経験してきた都市であり、土地選びで地盤の確認が欠かせない地域です。

各区の詳しいデータは、新潟市4区を徹底比較~液状化リスク~と、新潟市西区の液状化リスクを解説で確認できます。

液状化地盤に冬の凍上が重なると何が起きるか

液状化は「地震のときに起こる現象」、凍上は「冬の寒さで起こる現象」で、別のものです。ただし、2つには共通点があります。どちらも、地下水位が高く、砂やシルトを多く含む地盤で起こりやすいという点です。

そのため、液状化リスクの高い町は、凍上や融雪期の地下水位の上昇といった冬から春の条件とも重なりやすい土地といえます。具体的には、次のような影響が考えられます。

①凍結・融解でゆるんだ基礎や外構
凍結と融解をくり返した基礎や土間コンクリートには、ひび割れや傾きが生じることがあります。そこに地震の揺れが加わると、被害が広がる可能性があります。
②融雪期の地下水位の上昇
雪解け水が地中にしみ込む春先は、地下水位が上がりやすくなります。地下水位が浅いほど、地盤は液状化しやすい条件に近づくと考えられます。
③冬の被災は復旧と避難が難しい
2024年の能登半島地震は、1月1日の冬に発生しました。寒さと雪は、避難生活と復旧作業を難しくします。住まいの被害が大きいほど、冬の影響は重くなります。
⚠️ 注意
冬の凍結や融雪が、液状化の危険度そのものをどの程度高めるかについては、確立した数値の基準はありません。上記は、地盤の条件が重なる点を踏まえた考え方です。不安がある場合は、地盤調査など個別の確認を行ってください。

冬の災害リスクの全体像は、新潟市の冬から春の災害カレンダーで解説しています。

住まハザで液状化スコアを確認する方法

住まハザのトップページで、郵便番号または町名を入力して検索すると、その町の「ハザードスコア」のページが開きます。表示される「液状化」のスコアと、「海抜」をあわせて確認してください。

検索の手順は、①住まハザのトップページで町名か郵便番号を入力する、②町のページを開く、③「液状化」と「海抜」の数値を確認する、の3ステップです。区から探したい場合は、「地域から検索する」で区を選び、町名の一覧から選べます。数分で確認できるため、物件の内見の前に済ませておくことをおすすめします。

スコアの見方
1〜5の5段階で、5が最もリスクが高い状態です。スコア4以上の町は、2024年の地震で実際に被害が出た例が多く、注意が必要な目安になります。
海抜もあわせて見る
海抜が低い町は、地下水位が高く、液状化しやすい傾向があります。たとえば西区の小針南や東青山は、海抜がマイナスで、液状化スコアが5の町です。
安全性が高い町の例
西区の五十嵐東(海抜25.2m)や寺尾西(海抜27.6m)は、海抜が高く、スコアは3です。2024年の地震でも、五十嵐地区ではほとんど被害が報告されていません。
📌 ポイント
スコアと実際の被害は、必ずしも一致しません。中央区のようにスコアが高くても被害が限定的だった区もあれば、西区のように平均が低くても被害が集中した区もあります。スコアに加えて、海抜・地盤の成り立ち・過去の被害の記録を、あわせて確認してください。

液状化リスクが高いエリアでの物件選び

液状化リスクが高い町だからといって、必ず避けなければならないわけではありません。リスクを知り、対策と価格が見合うかどうかを判断することが重要です。冬の条件も含めて、次の5点を確認してください。

①海抜と過去の被害を確認する
住まハザで海抜とスコアを確認し、新潟市が公開している2024年の被害状況マップで、実際に被害があったエリアかどうかも確認します。
②地盤調査の結果を確認する
物件ごとの地盤の強さと液状化の可能性は、地盤調査で確認します。購入前に、調査の有無と結果を確認しましょう。
③地盤改良・基礎の仕様を確認する
ベタ基礎や地盤改良が行われているかを確認します。対策の有無は、被害の程度に大きく影響します。
④地震保険に加入する
地震保険は、液状化による建物の傾きや沈下も補償の対象になります。加入しているかどうかが、被災後の生活再建に大きく影響します。
⑤冬の外構対策を確認する
外構の排水や、基礎まわりの水はけを確認します。凍結による外構の傷みを抑えられます。
■ スコアが高くても購入を検討できる場合
地盤調査で支持力が確認でき、基礎や地盤改良などの対策が行われている。地震保険に加入できる。リスクを織り込んで、価格が相場より十分に抑えられている。
■ 購入を慎重に考えたい場合
海抜がマイナスで、スコアが5の町。2024年の被害が報告されているエリア。地盤調査や基礎の仕様が不明で、対策の費用が見込めない。

NoTownは、新潟市西区の不動産会社として、二級建築士・宅地建物取引士・FP・既存住宅状況調査技術者の資格を持ち、損害保険の代理店でもあります。ハザードスコアを踏まえた物件の選定、建物の診断、地震保険を含めた保険の見直しまで、一つの窓口で相談できます。

まとめ——液状化と冬の条件を踏まえて、土地を選ぶ

✅ この記事のまとめ
・住まハザの液状化スコアは1〜5で、5が最も高リスク。4区では中央区の平均が4.36と最も高い
・西区は平均スコアが3.83と最も低いが、2024年の地震では1.1万件以上の液状化被害が出た
・冬の凍結・融雪が液状化の危険度を高める度合いは確立されていないが、地盤条件は重なりやすい
・スコアは、海抜・地盤の成り立ち・過去の被害とあわせて判断する
・物件選びでは、地盤調査・基礎の仕様・地震保険・外構の水はけを確認する

まずは住まハザで、検討中の町の液状化スコアと海抜を確認してください。そのうえで、物件ごとの地盤や建物の状態まで確認したい方は、NoTownにご相談ください。

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※液状化・凍上に関する記述は一般的な内容です。実際のリスクは、物件ごとの地盤や建物の構造によって異なります。スコアは町名単位のおおよその危険レベルであり、個別の物件の安全性を保証するものではありません。