新潟市の冬の停電に備える|着雪が原因になる理由と家の準備

更新日:2026.11.07
新潟の冬の停電に備えるには、雪が原因で停電が起きる仕組みを知っておくことが近道です。新潟県では、湿った雪が電線や樹木に着く「着雪」が原因の大規模な停電が、2005年12月と2022年12月に起きています。この記事では、気象庁などの公的な資料で確認できる範囲で、新潟市の初雪の目安、着雪で停電する理由、停電中の暖房の安全、家でできる準備を解説します。
✍️ この記事の執筆者について
NoTown代表(新潟市西区・東青山)
建築業界20年・不動産業界10年・損害保険販売6年。
二級建築士・宅地建物取引士・FP・損保代理店の資格を保有。
自宅が地震で被災した際の保険申請も、実体験として経験しています。

新潟市の冬はいつから始まるか——初雪と積雪の目安

気象庁の平年値(1991〜2020年の30年間の平均)によると、新潟の雪の初日(初雪)の平年日は11月23日です。積雪が1cm以上になる最初の日の平年日は12月15日で、積雪が0cm以上の初日は12月9日です。平年よりも早く雪が降る年や、遅い年もあります。

冬の雪の量も、平年値で確認できます。新潟の降雪量の平年値は、12月が19cm、1月が63cm、2月が48cmで、12月から2月の合計は130cmです。1月の平均気温の平年値は2.5℃です。

雪が終わる時期の平年値もあります。雪の終日(雪が降る最後の日)の平年日は4月6日、積雪が1cm以上ある最後の日の平年日は3月10日です。新潟市では、11月下旬から4月上旬まで、約4か月半にわたって、雪による停電のリスクを意識する必要があります。

初雪は11月下旬が目安なので、停電への備えは、雪が降り始める前の今のうちに済ませておくと安心です。

📌 ポイント
ここで示した数字は、あくまで過去30年の平均です。その年の天候によって、雪の時期や量は大きく変わります。最新の見通しは、気象庁や新潟地方気象台の発表で確認してください。

なぜ雪で停電するのか——着雪のしくみ

雪による停電の原因として知られているのが、電線や樹木に雪が着く「着雪」です。新潟県の実例を、2つの公式な記録で確認します。

2005年12月:下越地方の大規模停電
東北電力の発表によると、平成17年12月22日の8時10分ごろから、新潟県の下越地方を中心に、最大で約65万戸が停電しました。すべての停電が復旧したのは、翌23日の15時10分です。当時は、着雪しやすいとされる0〜2℃程度の気温が長時間続き、台風なみの強風が吹いていました。

停電の主な原因(東北電力の説明)
海水に似た成分を含む雪が送電線のがいしに付いて、絶縁が保てなくなったこと(塩雪害)と、電線に翼のような形で雪が付いて、強風で電線が大きく揺れる「ギャロッピング現象」が挙げられています。一部の地域では、倒木によって配電線が切れ、復旧に時間がかかりました。

2022年12月:湿った雪による停電
新潟県によると、令和4年12月18日の大雪は、季節の初めの気温が比較的高い時期の、湿気を多く含んだ着雪しやすい雪でした。県内各地で、倒木などによる配電線の断線で停電が起き、佐渡市の一部では9日間に及ぶ長期停電になりました。

東北電力は、電線が大きく揺れやすい気象条件として、気温が0〜2℃、風速が5m/秒以上(10分間平均)、風が送電線に対して45度以上の角度で当たることなどを示しています。気温が0℃前後で、湿った雪が降る日に、強い風が吹く場合は、特に注意が必要です。

冬に起きる災害の全体像は、新潟市の冬に起きる自然災害リスク——大雪・融雪洪水・凍上をハザードマップで事前に確認する方法でも解説しています。

停電したときの暖房と安全——してはいけないこと

停電のときに最も気をつけたいのが、暖を取る手段による一酸化炭素(CO)中毒です。製品評価技術基盤機構(NITE)は、暴風雪などによる停電の際に、屋内で携帯発電機を使ったり、換気をせずに給湯器や暖房器具を使ったりすると、一酸化炭素中毒になるおそれがあると注意しています。

携帯発電機は屋内で使わない
NITEは、「携帯発電機は、屋内では絶対に使用せず、風通しの良い場所で使用する」よう呼びかけています。停電時に屋内で使って、一酸化炭素中毒で亡くなった事故も報告されています。

暖房器具は、こまめに換気する
NITEは、給湯器や暖房器具を使うときは、こまめに換気するよう示しています。石油ストーブについても、定期的な換気が必要で、換気が不十分だと酸素が不足して不完全燃焼となり、一酸化炭素濃度が上がって中毒に至るおそれがあるとしています。

事故の実態
NITEによると、2010〜2019年度の10年間に起きた一酸化炭素中毒の死亡事故は17件(21人)で、携帯発電機で最も多く発生しています。

⚠️ 注意
寒さのあまり、窓を閉め切ったまま暖房器具を使い続けるのは危険です。換気の頻度などの具体的な使い方は、お使いの暖房器具の取扱説明書に従ってください。

家でできる停電への備え——チェックリスト

停電そのものを防ぐことはできませんが、停電が起きたときの困りごとは、事前の準備で減らせます。次の項目は、一般的な備えの考え方です。必要な量は、家族の人数や住まいに合わせて決めてください。

明かりと情報
懐中電灯やランタン、予備の電池、モバイルバッテリー、携帯ラジオを、すぐに取り出せる場所に置きます。

暖を取る備え
毛布や防寒着、使い捨てカイロなど、電気を使わずに暖を取れるものを用意します。暖房器具を使う場合は、前のセクションの換気の注意を守ります。

水・食料・トイレ
飲料水、そのまま食べられる食料、携帯トイレを備えます。災害時は、停電に加えて、水道やガスの途絶、物流の停滞が重なることがあります。

暮らしの設備の確認
停電中に使えなくなる設備(暖房、給湯、電気で動く機器)と、使える手段を、家族で確認しておきます。

屋外の備え
雪が降る前に、家の周りの樹木の枝が電線に近づいていないかを確認します。倒木による配電線の断線は、停電の原因になることがあります。電線に近い樹木は、自分で切らず、電力会社に相談してください。

このエリアのリスクを住まハザで確認する → https://sumahaza.com

冬の防災全般の備蓄は、新潟市の冬の防災対策|大雪・停電・凍結から家族を守る方法のチェックリストも参考にしてください。

停電に強い家とは——断熱・設備の考え方(建築士の視点)

建築士の立場から、一般的な考え方をお伝えします。断熱性能と気密性能が高い家は、熱が外へ逃げにくいため、暖房が止まっても、室温が下がりにくくなります。反対に、断熱性能が低い家は、暖房を止めると室温が早く下がります。停電が起きたときの寒さへの強さは、家の断熱性能に左右されます。

具体的な温度の変化は、建物の構造や断熱の仕様、外の気温によって大きく異なるため、ここでは数字を示しません。ご自宅の断熱の状態が気になる場合は、住宅診断(インスペクション)で、現状を確認することをおすすめします。

断熱・気密の見直し
窓まわりや床下、天井の断熱の状態を確認します。リノベーションで断熱性能を高めると、冬の暮らしやすさと停電時の寒さへの備えの両方につながります。

電気に頼らない暖房の確保
停電時にも使える暖房手段を、換気を守って安全に使える形で、あらかじめ決めておきます。

住む場所のリスクの確認
冬の災害は、停電だけではありません。住んでいる町の浸水・液状化・海抜などのリスクも、あわせて把握しておくと、備えの優先順位が決めやすくなります。

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まとめ・参考にした公式情報

✅ この記事のまとめ
・新潟の初雪の平年日は11月23日、積雪1cm以上の初日の平年日は12月15日(1991〜2020年)
・2005年12月の下越の停電は最大約65万戸で、全復旧は翌日の15時10分。着雪などが原因
・2022年12月の大雪でも、着雪しやすい雪で停電し、佐渡市の一部では9日間続いた
・停電中は、携帯発電機を屋内で使わず、暖房器具はこまめに換気する
・雪が降る前に、明かり・暖・水と食料・トイレの備えと、住まいの断熱の確認を
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📚 参考にした公式情報
・気象庁「新潟 平年値(霜・雪・結氷の初終日、積雪の初終日)」
https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/view/nml_sfc_season.php?prec_no=54&block_no=47604&year=&month=&day=&view=
・気象庁「北陸地方 予報期間の平年値」
https://www.data.jma.go.jp/cpd/longfcst/sankou/hokuriku6.html
・東北電力「新潟県内の停電の原因と再発防止対策について」(平成18年1月13日)
https://www.tohoku-epco.co.jp/whats/news/2006/01/13.html
・新潟県「今後の停電対策に向けた検討会について」
https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/kikitaisaku/teidentaisaku.html
・NITE「冬の死亡事故に注意!」(令和3年1月28日)
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2020fy/prs210128.html
・NITE「石油ストーブ 換気不足による不完全燃焼」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/03280102.html
※公的情報は2026年10月30日時点で確認した内容です。最新の情報は各ページでご確認ください。

※着雪や停電の状況は、気象条件や地域によって異なります。今冬の雪の見通しは本記事では取り上げていません。最新の予報は、気象庁・新潟地方気象台の発表をご確認ください。